主な手術症例数 | 2019年 1月~12月 |
2020年 1月~12月 |
開院からの総数 2011年7月~2020年12月 |
---|---|---|---|
経皮的血栓回収術 | 35件 | 10件 | 197件 |
経皮的頚動脈ステント留置術 脳動脈瘤コイル塞栓術 |
38件 | 43件 | 398件 |
脳動脈瘤頚部クリッピング術 開頭血腫除去術 |
37件 | 10件 | 354件 |
脳腫瘍 脳動静脈奇形 微小血管減圧術 |
7件 | 12件 | 81件 |
水頭症手術 ITB療法髄腔内持続注入用埋込型ポンプ設置術 |
16件 | 17件 | 313件 |
脊椎・脊髄手術 | 107件 | 113件 | 1,004件 |
頭部外傷(慢性硬膜下血腫/他) | 66件 | 60件 | 694件 |
主な手術外症例数 | 2019年 1月~12月 |
開院からの総数 2011年7月~2019年12月 |
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t-PA治療 | 43件 | 307件 |
ボツリヌス治療 | 546件 | 2,742件 |
手術実績
脳動脈瘤治療班からのお知らせ:当院では顕微鏡下クリッピング術と脳血管内コイル塞栓術の二刀流で治療を実施しています。
特に、当院では開頭クリッピング術と脳血管内コイル塞栓術の両方の技術を持つ、いわゆる“二刀流”の脳外科医が佐々木 院長の下に4名所属しており、熟練の開頭技術を持っている長谷川 洋 名誉会長、岩崎 孝一 名誉院長の両名のご指導も仰ぎながら安全で丁寧な手術実施を心がけています。

[ 脳動脈瘤(赤丸) ]

[ クリッピング後頭蓋骨修復状態 ]

[ 脳動脈瘤コイル塞栓後(青) ]
脳動脈瘤の治療においては、脳動脈瘤治療班(班長 佐々木 院長・副班長 矢野 副部長)にお気軽にご相談ください。
微小脳血管減圧術治療班からのお知らせ:多くの患者様に毎月治療を実施しています。
特徴としては、最も手術の侵襲を受ける可能性のある聴神経やABRのモニターチェックに加え、最新のAMR(Abnormal Muscle Response)モニターも術中に実施し、安全性を徹底しています。

[ 小さな開頭(key hole)(赤丸) ]

[ 三叉神経を圧迫していた微小脳血管を外して対側の硬膜に生体接着剤で接着移動(黄色丸) ]
[ これにより三叉神経の圧迫部は解除(青丸)されています。 ]

[ AMRモニター実施画面 ]

[ 顔面神経を圧迫していた微小脳血管を外して対側の硬膜に生体接着剤で接着移動(黄色丸) ]
[ これにより顔面神経の圧迫部は解除(青丸)されています。 ]
脳腫瘍班 からのお知らせ:脳神経外視鏡による手術を実施しています。
顕微鏡に比べ術者以外の手術視野が観察しやすく、また奥まった部分の腫瘍の観察にも大変適している特徴があります。

[ 摘出腫瘍 ]

[ 術前腫瘍(赤丸) ]

[ 術後完全摘出(青丸) ]
脳神経内視鏡手術治療班からのお知らせ:中等度大の脳出血除去にも導入しています
従来は顕微鏡下手術で摘出する中等度大の脳出血に対しても、皮膚切開や開頭も大幅に小さく、また安全で正確な血腫摘出が可能となっており、これにより、より少ない患者さんへの負担で大きな回復効果が期待できます。
当院ではこういった脳神経内視鏡手術を積極的に取り入れています。

[ 頭部3DCT(切開および開頭部位:赤丸) ]

[ 手術前頭部CT(出血部位:赤丸) ]

[ 術後頭部CT(完全に摘出された出血痕:赤丸) ]
脳神経内視鏡手術治療班からのお知らせ:脳深部の脳出血の摘出に効果を発揮しています。
手術時間も1時間程度で短く、また開頭部位も大変小さく実施することができます。

[脳神経内視鏡手術前 脳出血(赤丸)]

[脳神経内視鏡手術後 脳出血がほぼ全摘出(赤丸)]

[皮膚切開や開頭も小さく実施しています(赤丸)]
高難度な内頚動脈内側微小脳動脈破裂に対し、高性能のマイクロバルーンを併用し安全な動脈瘤コイル塞栓術を実施しています。


[ 術前検査所見で内頚動脈内側部に微小な脳動脈瘤を確認 ]


[ 高性能4mm径バルーン拡張下でのコイル塞栓 正面、側面 ]

[コイル塞栓で完全閉塞した脳動脈瘤]
岩崎名誉院長(元北野病院主任部長)の執刀の元、三叉神経痛微小血管減圧術、顔面痙攣微小血管減圧術を積極的に実施、開始しています。
三叉神経痛への微小脳血管減圧術について

[造影CTによる横静脈洞からS状静脈]

[実際の開頭部分]
これにより、手術部分近傍のもっとも弱い顔面神経や聴神経への圧迫や損傷を未然に防ぐことができます。

[検査部による術中ABRモニター風景]

[術中写真]

[術中写真]
そして圧迫部をしっかり解除します。(赤丸)
そして生理的組織接着剤を使用し、この血管の別の部分を硬膜に接着(黄色◯)して先の解除した状態を安定させます。
こういった手法をTrans position法と言います。
もっとも再発率が少ない手技ですので当院では岩崎 名誉院長のご指導のもと、優先的に実施しています。


指で抑えてるところを押すと微量の生理的組織接着剤が出ます。深い術野にも入ります。
これは当院の岩崎 名誉院長が独自に開発され、広く普及しています。

[MRI写真 術前]

[MRI写真 術後]
顔面痙攣への微小脳血管減圧術について


[術中写真]

[術中写真]
これにより出向部(REZ)が完全に解除(青丸)されています。
こういった手法をTrans position法と言います。
もっとも再発率が少ない手技で当院では岩崎 名誉院長のご指導のもと、優先的に実施しています。
脳血管障害で最も難易度の高い脳動静脈奇形(AVM)に対して総手術時間30時間に及ぶ脳血管内塞栓術および顕微鏡下開頭術を実施しました。
脳動静脈奇形(AVM)は極めて高度な脳血管内手術による最新塞栓物質Onyxを駆使した塞栓術を必要とします。この度は当院AVM担当班長である矢野 達也 副部長の執刀にAVM治療の第一人者である香川大学 准教授 川西 正彦 先生に指導来院頂きました。
また脳塞栓術後には最新術中ナビゲーションシステムを駆使した顕微鏡下手術による開頭AVM摘出術を実施、総時間30時間の手術を安全に実施しました。

[術前AVM全景]

[術後MRI]
当院循環器チームは大腿動脈解離に対しステント治療を実施しています
脳梗塞や脳出血などの脳卒中疾患を発症した患者様は全身の動脈硬化が既に大きく進行していることがあります。
このため、当院循環器診療(山平 浩世 部長)や、大阪市総合医療センター循環器チーム(当院 土曜日に特別外来を実施いただいています)の検査で判明することもあれば、脳血管内手術治療の折に合併症として発生することもあります。
この解離においては循環器カテーテルチームによるステント治療が有効で、短時間で実施できるうえ、後遺症が少なく安全性が高い特徴があります。

[大腿動脈の解離部分(赤丸)]

[ステントを留置(赤丸)]

[ステント治療後に血流正常化した大腿動脈]
心疾患合併の頸動脈狭窄の患者様に心臓カテーテル検査と頸動脈ステント治療を同時に実施しています。
狭心症など心臓循環器疾患を合併している頸動脈重度狭窄症の患者様に対し、当院では循環器カテーテル科と脳血管内治療科が合同で治療にあたっています。

[心臓血管造影]
同時に心臓カテーテル検査を実施したり、体外式一時心臓ペーシング装置の装着など、これにより患者様への負担を大きく軽減できます。
今後も当院ではより安全な治療実施を患者様に提供できるよう日々工夫を凝らし研鑽してまいります。

[ステント実施前の重度狭窄内頸動脈]

[ステント後拡張した内頸動脈 1]

[ステント後拡張した内頸動脈 2]